多くの日本人は、不快なストレスに満ち、過密化した都会での生活を余儀なくされています。さらに新型コロナ禍の中では、経済的な苦しみや精神的な不安、悲しみ、感染の恐れなどの感情悪が日々増大しています。また緑あふれる自然環境から遠ざかり、コンクリート化した住環境の中にあって、自然音が乏しく人工音の多い音環境の中で暮らしています。このような環境下での生活の中では、自律神経の中でも心身や脳機能を過剰に活発化させる交感神経がいっそう優位になります。特に、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌が多くなり、免疫学的には、体表や粘膜面から分泌される汗や粘液が減少してきます。この例として、乾燥肌やドライアイ、ドライマウス、便秘症などがあります。加えて、ウイルスなどの病原体を攻撃するリンパ球の機能も低下してきます。したがって、結果的に体表や粘膜面での生まれつきもつ自然免疫力と生体内でのリンパ球依存の獲得免疫力は低下してきます。この観点で、人間はウイルスなど粘膜面から粘膜上皮細胞に侵入する病原体に感染しやすくなっていると考えられます。 加えて、交感神経優位の状態で生活していると、血管が収縮して高血圧や冷え性になるばかりでなく、ストレスホルモンのコルチゾールが増加して血糖値が高くなります。また、血流が悪くなる結果、脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性疾患にもなりやすくなります。したがって、こうした問題点を克服する上で大切なことは、(1)身を守る免疫力を日頃から低下させないこと、並びに(2)交感神経にブレーキをかける作用をもつ副交感神経を日頃から刺激して自律神経のバランスを整えることです。 そこで、モーツァルトの音楽が、過剰に作動している交感神経を抑えて自律神経を整える作用があるのか否かについて研究してきました。特に、約4000Hzという高い周波数の音を豊富に含み、明るくシンプルな旋律の繰り返しと音のゆらぎが多く、心地よい和音が多用され倍音の多い楽曲を調べました。その結果、音楽聴取によって、1)体表の体温が上昇すること、2)唾液の分泌が高まり、唾液中の免疫物質である抗体IgAが増加すること、3)高い心拍や血圧が低下して安定化すること、4)身体の不調(肩こりや目の疲労など)が改善すること、5)リンパ球の機能が高まること、6)ストレスホルモン(コルチゾール)が減少すること、7)インスリンの分泌が高まること、などが判明しました。 以上の研究結果から、モーツァルトの音楽が副交感神経を刺激して交感神経優位で生じる様々な体の不調を改善すること、人間の低下した粘膜力と免疫力を高めること、そして精神的にもリラックス状態を導く作用をもつことがわかりました。したがって、粘膜面から侵入するウイルスなどの感染症を予防し克服する上でも、副交感神経刺激作用をもつモーツァルトの音楽は手軽に活用できる素晴らしい有効なツールになります。「予防は治療に優る」という諺があるように、体を元気にするモーツァルトの音楽を日々の生活の中で意識的に取り入れてほしいと思います。 |
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私がモーツァルトに集中して聴き入る時間帯は、就寝前に目を閉じて枕元で聴き入り快眠を得たい場合と講義等の前に脳を一端休ませて本番で集中力を高める場面になります。お気に入りの飲み物は、ポリフェノールの多いココアと緑茶です。 |
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まとめ |
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① ウイルスと細菌は違う (抗生物質はウイルスには効かない) ② 新型コロナウイルスの「第二段階の感染防御策」 (みそ汁、渋い緑茶、納豆、玉ネギ、亜鉛含有食材の摂取) ③ 免疫細胞を活性化する方法の実践 (熱くないお風呂、アロマ、30分以上の日光浴、7時間以上の睡眠) ④ 免疫細胞を活性化する食材の摂取 (乳酸菌食品、バナナ、海藻類、キノコ類、ポリフェノールを多く含む食材) ⑤ 全身の粘膜の乾燥を防ぐ (ネバネバ成分を含む食材の摂取で、粘膜面にバリヤーを構築) |
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上記③④⑤の“大切な土台”となるのが、副交感神経を刺激して自律神経を整える効果のあるモーツァルト・セラピー(4000Hzの周波数を含む楽曲に聴き入ること)です。 |
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1950年長野県生まれ。東京農工大学大学院修了後、京都大学にて理学博士取得。元埼玉医科大学・同大学院教授・初代学科長を歴任。現在、埼玉医科大学短期大学名誉教授。東京都立大学および新渡戸文化短期大学などで講師を兼務。「21世紀の音楽療法を考える」「音楽療法元年」「心と体が安まる周波数 528Hz CDブック」「最恐ストレスからあなたの自律神経を守り抜くCDブック」「粘膜力でぜんぶよくなる」「免疫力を高めるアマデウスの魔法の音」「認知症にならないためのCDブック」などの著書多数。「心と体を整える愛の周波数528」「癒しのモーツァルト・シリーズ」など監修CD多数。国際個別化医療学会顧問、日本臨床音楽研究会理事、日本作家クラブ名誉理事、公益社団法人「虹の会」理事、USEN放送番組審議会委員、一般財団法人「Universe Health & Happiness 大学院」理事、朝日のぼる文化村村長、一般社団法人「We love 信州の会」理事などを務める。専門は比較免疫生物学、免疫音楽医療学で、 人間を含めた動物の健康維持機構を研究している。文部大臣賞、日本応用動物昆虫学会賞、日本臨床検査学教育学会永年精励賞、日本レコード大賞企画賞(監修CD)などを受賞。テレビ・ラジオ・医学雑誌等および音楽療法コンサート開催等で治未病活動を展開している。 |
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ニュー・ノーマル時代の音楽は「聴く」から「効く」へ |
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PMF2021 開催に向けた今後のスケジュール |
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現在、新型コロナウイルスの感染状況等を見ながら、皆様の応援を力にPMF2021の開催準備を進めております。開催期間を含めた詳しい情報は3月末頃の発表を予定していますが、現時点で想定しているPMFフレンズ(賛助会員)やチケット販売に関する大まかなスケジュールをお伝えします。 |
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読者の皆様へ |
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