音楽はメロディやリズムのほか、音程や音色、音の高い低いという周波数、一定のフレーズの規則的繰り返しから構成されるゆらぎ、そして複数の音が同時になるときの心地よい和音によって生まれる倍音など、様々な音響学的要素から成り立っています。こうした音響学的要素の中で、ゆらぎや和音を基盤とする倍音、高い周波数に満ちた音の要素がモーツァルトの名曲には豊富に存在します。特に、川のせせらぎのような心に優しく響く純粋で明るいゆらぎ音や人間の耳が構造上もっとも敏感に感じ取れる約4000Hzという高い周波数の音が豊富に含まれているばかりでなく、倍音によって約20000Hz以上の非常に高い超可聴域の音も存在するため、身体全体の細胞に多大なエネルギーを与えています。 ご承知のように、現代社会は不快なストレスに満ちているため、精神的に落ち込み、うつや心身症で悩む方が増加しています。また、過労や寝不足に加え、生活不安や悲しみ、恐れなど、人間にとっての3つの感情悪も増大しています。この結果、人間の健康を支えている自律神経の調和が崩れ、多くの生活習慣病を引き起こしています。自律神経は意志とは無関係に機能する神経であるため、ストレスは直接、自律神経に悪い影響を与えます。特に、心身を活動モードに導く交感神経が過敏に作動するため、脳内ではノルアドレナリン、神経末端からはアドレナリンが過剰に分泌される結果、心身に不調が生じたり、免疫力が低下して、今日大きな問題になっているウイルス感染や発がんの危険が高まってきます。さらに、不快なストレスによってコルチゾールというストレスホルモンが多く分泌される結果、血糖値も上昇します。 したがって、こうした身体の悪い状態を改善して健康に導くためには、交感神経を和らげ、交感神経の機能にブレーキをかけて自律神経を整えることが大切になります。交感神経を和らげるのは、副交感神経という心身を安静に導く神経であり、モーツァルトの曲に存在する約4000Hzという高い周波数とゆらぎ、そして倍音が、その安静効果を大いに発揮します。耳から入力される高い周波数の音は、首の頸椎の上に位置する延髄から中脳に至る脳幹部という副交感神経が集合した部位から自律神経の中枢である視床下部という部位まで効果的に波及するため、モーツァルトの曲に聴き入るだけで、どなたでも心が穏やかになり、精神的に落ち着いてきます。加えて、脳や身体も安静モードになるため、疲労から解放されてゆったり生活することができるようになります。ストレスホルモンのコルチゾールは減少する一方、幸せホルモンであるオキシトシンは増加してきます。さらに、超可聴域の音が全身に響くため、いっそう心が落ち着き明るく穏やかになります。 このように、モーツァルトの音楽を生活の中に取り入れると、体調が改善され、心のモヤモヤも消え明るく前向きに生きる力も増してくるのです。心に不安や恐れなどの感情が高まる今日の社会において、モーツァルトの名曲は素晴らしい救世主になり得るのです。 |
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モーツァルトの名曲には、約4000Hzという高い周波数の音と和音・倍音によって生まれる超可聴域の音も豊富に存在します。したがって、自分に適した音量で、目を閉じて聴覚を最大限に活かして聴き入ることや少し薄暗くして副交感神経のスイッチが入りやすくなる環境で聴き入ることも効果を高めます。 |
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1950年長野県生まれ。東京農工大学大学院修了後、京都大学にて理学博士取得。元埼玉医科大学・同大学院教授・初代学科長を歴任。現在、埼玉医科大学短期大学名誉教授。東京都立大学および新渡戸文化短期大学などで講師を兼務。「21世紀の音楽療法を考える」「音楽療法元年」「心と体が安まる周波数 528Hz CDブック」「最恐ストレスからあなたの自律神経を守り抜くCDブック」「粘膜力でぜんぶよくなる」「免疫力を高めるアマデウスの魔法の音」「認知症にならないためのCDブック」などの著書多数。「心と体を整える愛の周波数528」「癒しのモーツァルト・シリーズ」など監修CD多数。国際個別化医療学会顧問、日本臨床音楽研究会理事、日本作家クラブ名誉理事、公益社団法人「虹の会」理事、USEN放送番組審議会委員、一般財団法人「Universe Health & Happiness 大学院」理事、朝日のぼる文化村村長、一般社団法人「We love 信州の会」理事などを務める。専門は比較免疫生物学、免疫音楽医療学で、 人間を含めた動物の健康維持機構を研究している。文部大臣賞、日本応用動物昆虫学会賞、日本臨床検査学教育学会永年精励賞、日本レコード大賞企画賞(監修CD)などを受賞。テレビ・ラジオ・医学雑誌等および音楽療法コンサート開催等で治未病活動を展開している。 |
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