|
|
新しいストーリーが始まる、新しい音楽が生まれる
30回記念のPMF2019をリードする
世界の一流アーティストたち
|
来年、創設から30回を迎える国際教育音楽祭パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)。
新たな10年紀の幕開けをリードする4人の指揮者をご紹介します!
|
|
|
|
|
|
次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、北海道民全体の宝物として選ばれる「北海道遺産」。このたび『PMF〜豊かな風土に根差した世界につながる教育音楽祭』が新たな北海道遺産として認定されました。
|
|
|
創設者レナード・バーンスタインの精神が宿る、札幌芸術の森・野外ステージでの「ピクニックコンサート」は、音楽と、人と、北海道の自然が溶けあうPMFの原風景と言えるもので、札幌の夏の風物詩にもなっています。道民の遺産としてふさわしい音楽祭であるよう、今後も努めてまいります。
|
|
|
|
|
レナード・バーンスタイン生誕100年を祝う特別企画として12回シリーズで連載した“音楽の旅”。エッセイ&音源で彼の人生と音楽を辿った本編に続き、先月号からは特別編がスタートしました。2回目は執筆陣によるトークの続編と小田島久恵さんの公演評(バーンスタイン:バレエ音楽「ファンシー・フリー」)をお届けします。
|
|
バーンスタインとの出会いを教えてください。
|
|
(パイナップルのワッフルを見て)わーっ、ワッフル!
|
|
|
コーヒーは同じ料金で、カップ&ソーサーまたはマグカップ、お好きなほうで、お出ししています。お代わりをご希望でしたら、お声をかけてください。
|
|
|
大好きというだけあって“バーンスタイン愛”がすごいですが、彼との出会いを教えていただけますか?
|
|
|
学生時代は(青土社の雑誌)『ユリイカ』や『現代思想』をよく読んでいました。田舎娘ディレッタントという感じで(笑)。<マーラー特集>がありまして、ロック少女は突然マーラーに目覚めました。バーンスタインとの出会いは、マーラーとブルーノ・ワルター(ドイツ出身の指揮者・ピアニスト・作曲家)の音楽を好んで聴いていたことがきっかけです。1991年だったと思います。お恥ずかしながら、PMF1990のことは後に知りました。
|
|
|
クラシック音楽を聴き始めたのは小学校3年生ですね。カラヤンのレコードを買いました。指揮者は彼しか知らなくて、指揮者によって音楽が違うことも知らなかった。中学生になってオーケストラ部に入ると周囲は音楽好きな人ばかり。そこで、フルトヴェングラーなどを買って聴いてみたものの、『ドイツ系はうーん、何か、ちょっと重いな…』と。そんなとき、バーンスタインという、飛び跳ねながら指揮をするアメリカ人がいると聞きました。彼は見た目もかっこいい(笑)。ちょうど、1977年、中学2年のとき、京響で若杉弘のマーラー3番の演奏会があることを知り、どういう訳か、このコンサートに行きたくて予習のために買ったレコードが、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルのマーラー3番でした。バーンスタインを生で聴いたのは、1979年のマーラーの巨人で、高校1年生のときです。
|
|
|
えっ、生で聴いてるんですか!
|
|
|
本当は78年のチケットも購入していたけど、奥様が亡くなられて、バーンスタインの来日がキャンセルになったんです。
|
|
|
1979年の夏だよね、憶えてる。僕の場合は京都公演ではなく、同じツアーのニューヨーク・フィル東京公演。プログラムは、マーラーの巨人とショスタコーヴィチ5番。当時、アメリカのオケは夏に来ると爽やかな白いジャケット姿でした。
|
|
|
(ミューザ川崎シンフォニーホールの)フェスタサマーミューザで東響も着ていますよね!
|
|
|
山田さんの初めて買ったレコードがマーラーの3番か。あれ2枚組だよね。結構お小遣い要るような…。
|
|
|
第1楽章が長いからA面に入らなくて、途中でひっくり返すみたいな(笑)。
|
|
|
懐かしいなぁ。山田さんも、ませてますね。1979年と言えば、僕は高校2年生で『期末試験のときに、こんなコンサート、行っていいのか』と思いながら行きました(笑)。バーンスタインのことを、かっこいい指揮者だと意識し始めたのは、自分もこの頃からです。
|
|
|
バーンスタインの濃厚な表現が好きです。泣きながら「悲劇的」(マーラー:交響曲第6番)を振っちゃったりとか。知的なのに弄ばない、わかりやすい。自分にとって理解しやすかった。母校のハーバード大学で講義しているDVDも全部見ました。チョムスキーの言語学を延々と語るから、学生達は半分どうでもいいみたいな雰囲気で聴いている(笑)。それがロマン派のところに来た途端、すべてがわかりやすくなる。彼の講義で、自分が音楽を聴くときのパースペクティブ(遠近感、見取り図、展望などの意)ができあがりました。私にとってバーンスタインは(自分の目線に)下りて来て、理解を促してくれた人、音楽の本質を教えてくれた大切な人です。
|
|
|
|
PMFオーケストラ演奏会 プログラムB
バーンスタイン:バレエ音楽 「ファンシー・フリー」
PMFオーケストラ演奏会・プログラムB「オール・バーンスタイン・プロ」は、前半がバレエ音楽『ファンシー・フリー』、後半が『交響曲第2番 不安の時代』という「明・暗」のコントラストがはっきりとした選曲だったが、いずれも今年の選抜メンバーの真剣な取り組みと、現代的なセンスを感じさせる好感度の高い演奏だった。バレエ『ファンシー・フリー』は1944年にジェローム・ロビンスの振付、オリヴァー・スミスの美術・装置によってメトロポリタン歌劇場で初演された作品だが、当時バーンスタインは25歳。ロビンスもスミスも同年代で、作曲家とクリエイターの若々しい情熱が結晶化した野心作だ。
『3人の水兵の登場』からピアノ・ソロのジャジーで軽妙なフレーズが波止場の情景を描き出し、オーケストラはポップス的な寛いだムードを創り上げる。同時に、リズムは次々とアクロバティックに変形し、この曲がストラヴィンスキーばりに拍子を取ることが難しい音楽であることが明らかになる。管弦打が、お互いの音をよく聴いてユーモラスなうねりを創り上げていくが、それがとても爽やかで生真面目な印象だった。曲調はフレンドリーでありながら、演奏家たちのアプローチにはスコアに対する純音楽としての尊敬があり、指揮のエドウィン・アウトウォーターはバーンスタインの緻密で練られた構造を次々と明らかにした。後半の3つのヴァリエーションではギャロップやワルツ、キューバの「ダンソン」が演奏されるが、若い演奏家たちによって正確に演奏されるギャロップは、ショスタコーヴィチそのものだ。複雑でアイロニーを含んだ和声感とリズムが耳に突き刺さる。どれも単純に耳障りのいい曲ではなく、バーンスタインの諧謔(かいぎゃく)や政治的なメッセージが封じ込まれている。ミュージカル『ウエストサイド・ストーリー』との類似性を強く感じさせた。
細かく分けられたシークエンスが、情景と物語を詳しく描き出していく『ファンシー・フリー』は、バーンスタインが「バレエ音楽を芸術に高めた」チャイコフスキーを尊敬していた証のようにも思える。1940年代のソ連で振り付けられたラヴロフスキー版『ロミオとジュリエット』を思い出し、東西で全く正反対のことをやっているようで、どこか同じ「暗さ」を引き受けていることに気づいた。争いと和解、ということが東西のバレエで多く描かれたのが、このダークな時代で、バーンスタインは鋭利な感覚で作品に投影したのだ。コンサートでは、八面六臂の活躍をしたドラム奏者が特に大きな喝采を得た。難しいトランペット・パートや、ピアノ・ソロもハイレベルな出来栄えで、トータルとして今年のオーケストラの美意識の高さを証明する優れた演奏だった。
|
|
【読者プレゼント】
Harmony of Peace(2枚組CD)を30名様に!
|
音楽祭の魅力と感動を音で伝えるツールとして、毎シーズンのハイライト演奏を収録するPMFのオリジナルCD。このたびレーベル第28弾となるHarmony of Peaceが完成しました!
この非売品CD(2枚組)を抽選で30名の方にプレゼントします。
会場でコンサートを聴いた人も、初めてPMFオーケストラの演奏を聴く人も、今夏のパワフルな“平和の響き”をお楽しみください。
|
|
応募締切
2018年12月14日(金)
ご希望の方は
①お名前
②郵便番号&住所
③電話番号
④もうすぐ50号を迎えるPMF MUSIC PARTNER
(月刊メール)にメッセージをお願いします。
上記4点(応募条件)をご記入のうえ musicpartner@pmf.jp にメールでご応募ください。
※メールの件名に「CD希望」とご記入ください。
※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
※ご応募いただいた方の個人情報は、抽選および発送以外には使用しません。
|
|
|