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去る8月4日(火)、サントリーホールで開催しましたPMFオーケストラ東京公演をもちましてPMF2015は全日程を無事終了しました。
巨匠バーンスタインが音楽人生の最期に夢と情熱を注いで創設した国際教育音楽祭PMF。
26回目という四半世紀の幕開けを、新たな気持ちで一緒に歩んでくださったスポンサー各社様、いつもPMFをあたたかく応援してくださるPMFフレンズ会員の皆様、アカデミー生の音楽教育のさらなる充実のためにご寄付をしてくださったPMFオフィシャル・サポートの皆様、明るい笑顔で活動してくださったボランティアの皆様、そして、コンサート会場に足を運んでくださったPMFファンの皆様に心からお礼を申し上げます。
今後もPMFは創設者レナード・バーンスタインの想いを受け継ぎ、私たちにしかできない音楽教育を続け、世界の若手音楽家の育成とクラシック音楽文化の発展に貢献してまいります。また、ファンの皆様にはコンサートを通じて、国際教育音楽祭PMFの醍醐味と新しい感動をお届けしてまいりますので、引き続きご支援をお願いいたします。
公益財団法人パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会
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PMF史上初!
期間限定の無料配信「PMFオン・デマンド」スタート
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PMFのコンサートを全世界にインターネットで無料配信する「PMFオン・デマンド」がスタートしました。高画質・高音質を徹底的に追求した初の試みです。
今年も満員御礼となったPMF GALAコンサートから第2部の芸術監督ワレリー・ゲルギエフ指揮、PMFオーケストラ演奏会<プログラムC>の全曲を高解像度のハイビジョン映像とクリアな音で、また、“DSD5.6MHz”というCDの128倍にも及ぶサンプリング周波数で収録したアンドリス・ポーガ指揮、PMFオーケストラ演奏会<プログラムB>の全曲をハイレゾ音源(※)でお楽しみいただけます! |
「PMFオン・デマンド」は10月31日(土)までの期間限定配信です。最高の技術がPMFオーケストラ演奏会そのままの音と感動を再現します。 |
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※(株)インターネットイニシアティブのハイレゾ配信実証実験の一環として公開します。お聴きいただくためには、パソコンに専用のソフトウェア(無償)をインストールし、別途USB接続型デジタル・アナログ・コンバーター(USB DAC)、ハイレゾ対応ヘッドホン等が必要です。 |
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PMF2015に参加して 〜アカデミー生からのメッセージ〜 |
オーディションに合格し、PMF2015に参加したオーケストラ・アカデミー・メンバーの3名に、PMFで印象に残ったことを聞き、応援してくださった皆様にメッセージをいただきました。 |
質問
(1)PMF2015に参加して印象に残っていることは?
(2)PMFはスポンサー企業をはじめ、PMFフレンズ会員や寄付者、コンサートチケットを購入してくださるお客様によって支えられています。皆様にメッセージをお願いします。
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プラパット・プラティップリポンさん(バス・トロンボーン)
出身国:タイ
学校名:ルーズベルト大学
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(1)PMFでは感動することがたくさんありました!世界中の素晴らしい音楽家たちと出会い、世界中に新しい友人たちができました。期間中は難曲とハードスケジュールのため、最高の演奏をするには皆で必死に取り組まねばなりませんでした。その過程で経験したPMFオーケストラの団結力の強さには本当に感動しました。また、プログラムごとに違う指揮者のもとで演奏することは有益で、彼らからは楽想を解釈するための凄いメソッドをはじめ、非常に多くのことを学びました。PMFでの素晴らしい経験をこれからもずっと心の中に持ち続けたいと思います。
(2)私たち学生にこのような機会と経験を与えてくれたPMFのすべてのスポンサーに「ありがとう」と伝えたいです。皆様が提供してくださったすべてのことに本当に感謝しています。
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マックス・タンさん(ヴァイオリン)
出身国:アメリカ
学校名:ハーバード大学
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(1)PMFは今まで参加した音楽祭のなかで最も集中的に学べる音楽祭のひとつでした。PMFのスケジュールと流れはプロのオーケストラさながらで、教授陣は世界の一流オーケストラから集まっていました。音楽を作り上げていくという経験はとても素晴らしかった。創造するうえでいちばん刺激を受けたのは世界各地から参加していた仲間たちです。終盤になるとPMFオーケストラは結束した家族となり、生涯にわたって続くに違いない多くの友情が生まれました。
(2)PMFを支援するということは、単にクラシックの音楽祭を支援する以上のものです。それぞれが後に就く職業を通じて世界を変えて行くであろう才能ある若手音楽家の人生を変えることなのです。クラシック音楽とPMFを支援するということは、芸術活動に参加することであり、すべての人々と心で結ばれる精神的な体験をすることです。PMFアカデミー生は、明日の世界に美しい変化をもたらす種だからです。
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永原 美紀さん(ヴァイオリン)
出身国:アメリカ/日本
学校名:ノースウェスタン大学
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(1)教授陣が学生と交流する様子はとてもまれなことです。長年、画面上でしか見たことのないベルリン・フィルのメンバーがKitaraのラウンジでアカデミー生たちの間に座ってコーヒーを飲んでいたり、ウィーン・フィルのベテラン奏者たちがリハーサル前にアカデミー生たちと気軽に話したりしている現実を受け入れるのに、最初の数日間は何度も自分の気持ちを抑える必要がありました。こうした貴重な瞬間や環境は、私たちのような学生にとって本当に特別な経験となりました。
(2)PMFに参加することによって、皆が成長して世界へ羽ばたいていく力を備え、音楽を分かちあうことによって、世界をもっと平和にしたいと願ったバーンスタインの遺志を受け継ぐ一歩を踏み出したと確信しています。演奏会には演奏者と同様に聴衆の存在が必要で、聴衆と演奏者がともにあることによって、音楽は創られます。PMFのすべての公演それぞれに聴衆のすばらしい存在を感じることができたことは、感謝してもし尽くせません。
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札幌の7月はPMFのシーズン。季節は巡り、時は流れてバーンスタイン プレイスは誕生から1年を迎えました。晴れ渡る夏空、輝く太陽、色鮮やかな木々や草花が一斉に音楽祭とバーンスタイン像を讃えているように見えます。今回は盛夏のバーンスタイン プレイスの様子をお届けします。 |
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各界で活躍中の方々にPMFの魅力を語っていただく「リレーエッセイ」。早くも今回が最終回です。
新芸術監督ワレリー・ゲルギエフの就任、オーディション方法の一新、指導体制の見直しなど、時代の流れと環境の変化に対応しながら、これまでの歴史と伝統をしっかりと受け継ぐために様々な挑戦が求められた新生PMF。これからも皆様から期待され、愛されるPMFであり続けるため、今年の教育プログラムの集大成となったPMFオーケストラ演奏会<プログラムC>を音楽評論家の東条碩夫さんに札幌・横浜・東京で聴いていただきました。
2007年からスタートした「東条碩夫のコンサート日記」は、来訪者数200万人到達が目前の人気ブログ(1日平均で約700人が来訪)。クラシック音楽と奏者に対する真の愛情ゆえ、いっさい迎合しない東条さんの演奏会レポートから今後の課題と展望を共有しましょう。 |
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音楽評論家 東条 碩夫 |
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芸術監督ゲルギエフの指揮によるPMFオーケストラの仕上げ演奏会は、ロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」、ショスタコーヴィチの「交響曲第10番」というプログラム。札幌2回、横浜・東京各1回が開催された。
ゲルギエフの本領は、予想通り「10番」で最大限に発揮された。作曲者自身や、その恋人エルミーラの主題などを際立たせて作品の中心テーマを明確に描き出し、緊迫感と熱狂をつくり出す手腕は、やはり圧倒的なものである。また協奏曲でも、若手のソリスト、マスレエフを、まるで父親のように微笑ましくサポートしていた。
「10番」に関する限りは、Kitaraでの演奏(8月1日)が最高の出来を示していただろう。これは、キュッヒルがコンサートマスターを務め、各教授陣も参加して活躍していたせいもある。演奏は熱気にあふれていた。━━逆に言えば、キュッヒルらが参加していなかった横浜・東京での演奏会、および全公演を通じての「10番」以外の曲目では、アカデミー生の実力が問われたわけだが・・・・筆者の聴くところ、それらの演奏は正確で真面目なものではあったものの、一方では意外なほどおとなしく、音に色彩感が不足し、地味なものになっていた印象は拭いきれない。
やはり望むべくは、第一に、芸術監督との練習時間がもっと充分に取れること。そして、アカデミー生たち自身にも、さらなる若々しい自主性があっていいのでは?これらは来年への課題であろう。
かつてアカデミー生たちは、ゲルギエフがショスタコーヴィチの「11番」やチャイコフスキーの「5番」の交響曲を指揮した時には、プロをもしのぐ水準の演奏を示していたではないか。準・メルクルとの東京公演の「幻想交響曲」でも、そうだった。また昔は、カーテンコールでは、いつも足で床を踏み鳴らし、元気に互いを称えあっていたではないか。
そういうPMF本来の若い情熱を、また期待しよう。 |
東条 碩夫(とうじょう ひろお)
早稲田大学卒。1964年FM東海(のちのFM東京)に入社、「TDKオリジナル・コンサート」「新日フィル・コンサート」など同社のクラシック番組の制作全体に携わる。1975年文化庁芸術祭大賞受賞番組(武満徹作曲「カトレーン」委嘱)制作。FM静岡編成制作部長、FM東京制作一課長、「ミュージックバード」(CS−PCM衛星デジタル・ラジオ)編成部長等を歴任。現在はフリーの評論家として新聞・雑誌等に寄稿、TV、FM番組に出演。著書に「朝比奈隆ベートーヴェンの交響曲を語る」(音楽之友社刊)、「伝説のクラシック・ライヴ」(TOKYO FM出版)他、共著多数。
東条碩夫のコンサート日記
http://concertdiary.blog118.fc2.com/ |
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