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“限りない才能”と評されるポーガのチャイコフスキー5番 |
客演指揮者としてPMFに初参加するラトビア出身のアンドリス・ポーガ氏。名門ボストン交響楽団のアシスタント・コンダクターを経て、2013年からは母国ラトビア国立交響楽団の音楽監督をつとめる30代の気鋭指揮者です。 |
アンドリス・ポーガ |
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ポーガ氏はチャイコフスキーの交響曲第4番で「その雄大さ、豊かさが、20世紀の偉大なロシアの指揮者、ムラヴィンスキー、テミルカーノフ、ゲルギエフ、そして偉大なるマエストロ、スヴェトラーノフを彷彿とさせる。限りない才能が満場一致で認められた」と評されています(レ・トロワ・クープ2010)。今月、N響定期にもデビューしたポーガ氏。限りない才能と未来を持つ指揮者のチャイコフスキー5番にどうぞご期待ください! |
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“海の日はクラシックの名曲で音楽浴”
〜バーンスタイン・メモリアルフェスタコンサート〜
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PMF25回を記念し、昨年の海の日に誕生した「バーンスタイン プレイス」。レナード・バーンスタインは音楽を通じて人を育て、音楽の感動を多くの人と分ちあうことを願って1990年に国際教育音楽祭PMFを創設しました。
20世紀を代表する指揮者で作曲家、そしてPMF創設者のバーンスタインを讃えて「バーンスタイン・メモリアルフェスタコンサート」を海の日に開催します。
プログラムはバーンスタインの「ウエストサイド・ストーリー」序曲をはじめ、ヴェルディの歌劇『椿姫』から「乾杯の歌」やガーシュインの「パリのアメリカ人」など親しみやすい選曲。次代を担う若手音楽家たちによるフレッシュな演奏とスクリーン映像で楽しむ2時間です。海の日はクラシックの名曲で音楽浴を楽しんでみませんか? |
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マエストロが愛する |
素晴らしい音響で国内のみならず海外でも有名な札幌コンサートホールKitara。今シーズンからPMF芸術監督に就任したワレリー・ゲルギエフ氏もKitaraをこよなく愛する指揮者のひとりです。4ヵ月に及ぶ改修工事を終えたリニューアル・オープン前日のKitaraを取材しました。 |
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今回のリニューアルでますます磨きがかかったKitara。アポロンに護られ、ゲルギエフ氏をはじめとする世界のマエストロたちに一層愛されて、これからも数々の名演と感動が生まれることでしょう! |
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PMF2015無料コンサートラインナップ |
仕事帰りや休日に街中でクラシックの響きを気軽に楽しめるのもPMFの魅力のひとつです。今回はアーティストやアカデミー生たちがホールを飛び出して外で演奏する無料のアウトリーチコンサートをご紹介します。 |
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各界で活躍中の方々にPMFの魅力を語っていただく「リレーエッセイ」。
前回登場した札幌交響楽団コンサートマスターの大平まゆみさんは、年間250回もの演奏や講演会など多忙な日々を送るかたわら、エッセイの中で「今年はどのコンサートに行けるか、スケジュール表とにらめっこしている」とPMF2015を楽しみにしてくださっています。
シリーズ4回目となる今回の筆者は、昨年、札幌芸術の森からオープニング・コンサートのテレビ初中継を行った際、大平まゆみさんとともに軽妙な語り口でコメンテーターをつとめてくださった音楽ジャーナリストの池田卓夫さんです。 |
世界に広がる「SAPPORO PMF」のネットワーク |
音楽ジャーナリスト 池田 卓夫 |
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1990年夏の札幌。天から降ってきた贈り物のように20世紀楽壇の巨人、レナード・バーンスタイン(愛称レニー)が国際教育音楽祭のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)を始めた。レニーは同じ年の秋に亡くなったので、壮大な構想の一端しか伝えられなかったが、それでも残された力の限りを振り絞り、シューマンの「交響曲第2番」のリハーサルを繰り返し、全身全霊で指揮した「思い」は今も蕩々と、根幹に流れている。
最初は「札幌市民への還元度が低い」「北海道出身者が少ない」と批判され、「単なる貸座敷ではないか」との疑念も払拭できなかった。これは、実に了見の狭い発想である。何よりヨーロッパや南北アメリカ、アジアからオーディションを経て集まった音楽学生がプロフェッショナルなキャリアを歩み出す前後数年間、夏の札幌で行動をともにし、日本人や日本文化、あるいは日本食とじかに触れる意義は計り知れないほど大きい。四半世紀を経過した今、世界各地のオーケストラの首席奏者やコンサートマスター、音楽大学の指導者にPMF出身者が散らばり、日本と北海道、札幌の良いイメージを広めている。やがては、彼らの生徒や子どもたちがPMFを目指し、ネットワークはどんどん強力になっていく。
もちろん指導内容に関しても、アメリカ合衆国のタングルウッドやドイツのシュレスヴィヒ=ホルシュタインなど、欧米の国際教育音楽祭とはひと味違うユニークさがPMFにはある。それは教授陣の顔ぶれだ。札幌ではウィーンとベルリン、北米のそれぞれに異なるオーケストラ文化を担う名手たちが複数のチームを組み、アカデミー生の指導に当たる。1ヵ所で3種類の奏法を学べるメリットも、もっと知られていい。札幌芸術の森の芝生で大勢の市民がくつろぐピクニックコンサートの魅力?それはもう市民が熟知して存分に楽しんでいるので説明の必要はないし、心底、うらやましいと思う。 |
池田 卓夫(いけだ たくお)
早稲田大学政治経済学部卒業。新聞記者となりフランクフルト支局長などを経た後、文化部編集委員を長くつとめた。コンサートの制作や司会、コンクールの審査なども手がける。 |
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